豪州の野党が掲げる連立政権構想は、純海外移住(NOM、海外から豪州に入国した人の数から豪州を出国した人の数を差し引いた数)を2028~29年と2029~30年にそれぞれ年間10万人に引き下げ、その後、3年目には13万人、2031~32年には16万人に引き上げるというものだ。一時ビザの保有者を4年間で約65万人減らし、難民の年間受け入れ規模を2万人から1万人に引き下げるとしている。一方、一時熟練労働者の移民は4年間で6万人超増やす計画だ。
この構想は、留学生の帯同家族や卒業後の滞在機会にも変更を予告している。留学生の新規登録を24万人に制限し、一時卒業ビザ(임시 졸업비자)を廃止する一方、博士課程修了者や保健・教育分野の学生、地方大学の学生には、学業後の一時移行ビザ(학업 후 임시 전환비자)を認める内容が含まれている。ただし、これは野党の計画であり、実際の施行時期や詳細な基準は、示された内容からは確認できない。
背景と文脈
野党は、訪問者とニュージーランド人を除く「中核的な」一時滞在者の数を約3分の1減らすと表明した。永住移民プログラムは、現在と同じ年間18万5,000人に制限する計画だ。ただし、長期的に住宅の完成戸数を移民数が下回る状態を保てるよう、必要であれば永住移民の上限も引き下げる可能性があるとしている。
一時ビザ全体の規模を縮小する一方で、熟練人材の受け入れを一律に減らすわけではない。一時熟練労働者の移民を4年間で6万人超増やすほか、熟練人材需要ビザ(숙련 인력 수요 비자)に専門分野を新設して毎年最大5,000人を追加で受け入れ、特定のプロジェクトにひもづく「熟練プロジェクト」ビザ(‘숙련 프로젝트’ 비자)を年間1万5,000件設けると表明した。後者は、人材を特定のプロジェクトに結びつけ、不足する人員を補う構想だ。
留学生政策は、入学者数だけでなく、家族の帯同や卒業後の滞在も対象とする。高等教育に占める外国人学生の割合を25%未満に引き下げる目標が示され、原文によると、2024年の割合は31%だった。留学生の新規登録者数は24万人に制限する計画だ。
別の報道によると、豪州政府がすでに実施した学生ビザの変更には、帯同家族の制限と、一部の滞在者が豪州国内で学生ビザを申請することを認めない措置が含まれている。野党案には、帯同家族の制限や国内申請の制限で政府の政策と重なる部分がある一方、一時卒業ビザを廃止する点は政府案とは異なる提案だと伝えられている。原文によると、一時卒業ビザは、一部の職業教育課程の卒業生と大半の高等教育課程の卒業生が、18カ月以上豪州に滞在し、フルタイムで働けるようにするビザだ。
このニュースが意味すること
豪州への留学を考える人にとっては、入学定員と同じくらい、家族を帯同できるか、卒業後も滞在できるかが重要になる可能性がある。大半の学生について帯同者の申請を制限する構想が実施されれば、家族の帯同を考えている留学生の選択に影響する可能性がある。ただし、どの家族が例外となるのか、野党案の例外が政府の現行制限より狭いのかは、まだ決まっていない。
卒業後の滞在を考える学生にとっては、一時卒業ビザの廃止が特に大きな変更となる可能性がある。一方、野党の構想には、博士課程修了者や保健・教育分野の学生、地方大学の学生に学業後の一時移行ビザを認める例外が設けられている。したがって、留学生全員の卒業後の滞在機会が同じように減ると断定するより、計画が実施された場合、対象分野や学業の経路によって影響が異なる可能性があると見る方が正確だ。
熟練労働者にとっては、職種や雇用形態が重要になる可能性がある。一時ビザ全体の削減計画とは別に、熟練人材需要ビザの専門分野や特定プロジェクト向けビザを増やすとしているためだ。例えば、豪州で仕事を探す人が特定のプロジェクトに必要な熟練人材であれば、この構想が実施された場合、一般的な一時ビザの削減とは異なる道筋が設けられる可能性がある。これは計画に示された方向性についての解釈であり、実際の資格要件や申請手続きは、公開された情報だけでは分からない。
難民申請を検討する人にも、手続きの変更が直接影響する可能性がある。豪州国内で保護ビザ(보호비자)を申請する人は30日以内に申請しなければならず、審査手続きも厳格化される予定だという内容が含まれている。この措置が誰にどのような基準で適用されるのか、30日の起算点が何かは、示された内容に記載されていない。
野党党首のアンガス・テイラー氏は、この計画は豪州史上最大の移民削減になると述べた。同氏は、議会予算局(의회예산처)とともに策定した政策は財政中立であり、経済を弱めるのではなく強化すると主張した。これは野党党首の評価であり、計画の施行後に経済的な結果が確認されたという意味ではない。
確認できていることと、まだ分からないこと
確認できていること
- 純海外移住の目標は、2028~29年と2029~30年にそれぞれ年間10万人で、3年目には13万人、2031~32年には16万人とされている。
- 一時ビザの保有者を4年間で約65万人減らし、難民の年間受け入れ規模を2万人から1万人に引き下げる計画だ。
- 永住移民は年間18万5,000人程度に制限し、一時熟練労働者の移民は4年間で6万人超増やす計画だ。
- 一時卒業ビザを廃止し、留学生の帯同者による申請の大半を制限する一方、一部の学生には学業後の一時移行ビザを認めるとしている。
- 2回目以降のビザで滞在を延長しようとする一時ビザ保有者は国外から申請することとする一方、ワーキングホリデー(워킹홀리데이)の参加者は、2年目・3年目のビザを豪州国内から申請できるようにする計画だ。
まだ分からないこと
- 野党の計画が実際の政策として施行された場合、各措置がいつから適用されるのかは、公開された情報に記載されていない。
- 一時ビザ保有者約65万人の削減と純海外移住の目標を、どのような方法で算定し、達成するのかも説明されていない。
- 留学生の帯同者による申請制限の例外対象や詳細な基準は、確定事項として示されていない。
- 豪州国内で保護ビザを申請する人に適用される30日の期限の起算点や、審査厳格化の具体的な方法も分からない。
読者が確認すべきこと
- 豪州留学を計画している場合は、野党の発表と、実際に施行されている政府の政策を区別して確認する必要がある。両者で内容が重なる帯同家族や豪州国内での学生ビザ申請の制限についても、対象者や適用範囲が同じだとは断定できない。
- 卒業後の滞在や家族の帯同が計画の要点である場合は、一時卒業ビザが廃止されるかどうか、また博士課程・保健・教育・地方大学の学生を対象とする例外の具体的な基準が発表されるかを確認する必要がある。
- 豪州での保護ビザの申請や、2回目以降の一時ビザの申請を検討している場合は、提案された30日の期限や国外申請の原則が、実際にいつから、どの申請に適用されるのかを確認する必要がある。
参考資料
- あわせて参照した報道: theconversation.com



















