オフィスの空気浄化を掲げるスタートアップのGreenairyが、シンガポールで実施した短期テストの結果と量産計画を公表した。共同創業者のタンヴィ・トムブレ氏は、通常の勤務時間帯におけるVOCの日次平均値とピーク値が、いずれも50%低下したと明らかにした。同社によると、ドイツの試験・認証機関TÜV SÜDが結果を検証したが、具体的な数値や試験条件はまだ公表していない。

背景と文脈

Greenairyは、オフィスの空気を浄化する植物タワーを開発するスタートアップだ。共同創業者のトムブレ氏とラクシャ・サラフ氏は、大学のメイカースペースでレーザーカッターや3Dプリンター、はんだごてから発生する有毒ガスに、知らないうちにさらされていたとトムブレ氏は語った。親友が失神して病院に搬送された後、室内空気汚染について調べ始めたと、同氏は明らかにした。

サラフ氏は、一般的な空気清浄機はほこりや花粉などの粒子状物質を除去するには効果的だが、二酸化炭素、ホルムアルデヒド、ベンゼンなどのガスの除去には効果が低いと説明した。VOC(揮発性有機化合物。空気中に容易に蒸発する化学物質)は、その一部を指す言葉だ。

Greenairyの植物タワーは、空気を取り込んで有毒ガスを分解し、浄化した空気を送り出すよう設計されている。サラフ氏によると、鉢植えの植物よりも、植物の周囲の環境を変える方式のほうが、空気をより速く、効率的に浄化するという。これは同社が示す仕組みと主張であり、製品の性能を独立して判断するには、公表された試験結果と条件をあわせて確認する必要がある。

このニュースが意味すること

Greenairyはシンガポールの複数の場所で、短期のパイロットテストを実施した。サラフ氏によると、同社はRESET認証(RESET 인증)を取得した空気モニターを使い、植物タワーを設置したオフィス、医療用イオナイザー(電荷を利用してほこりなどの粒子を凝集させる装置)を設置したオフィス、HEPA空気清浄機を設置したオフィスを比較した。同社独自のテストでは、Greenairyのタワーを設置したオフィスのVOC濃度が最も低く、VOCの除去速度も最も速かったとサラフ氏は述べた。

トムブレ氏は、通常の勤務時間帯におけるVOCの日次平均値とピーク値が、いずれも50%低下したと明らかにした。ただし、提供された情報だけでは、この低下率を算出した具体的な試験条件や比較基準は分からない。そのため、この数値をすべてのオフィスで期待できる性能として一般化するよりも、同社が公表したテスト結果として受け止めるのが妥当だ。

同社は、TÜV SÜDが結果を検証し、近日中に公表する予定だと発表した。創業者らは、計画どおりなら2027年上半期にシンガポールで初の量産型タワーを発売し、最初の顧客企業に設置する予定だと述べた。検証結果の公表と製品発売計画が実現して初めて、実際の商用化の状況や性能をより具体的に評価できる点で注目される。

たとえば、オフィス管理者が空気浄化装置の導入を検討する場合、同社が公表した低下率だけを見るのではなく、どのような条件で得られた試験結果なのか、自社の空間でも同様の結果を期待できる根拠があるのかを確認できる。特に、今後公表される予定の認証機関による検証資料が、同社独自のテストの条件と結果をどのように裏付けているかが、判断の鍵となりうる。

確認できた事実とまだ分からないこと

確認できた事実

  • Greenairyは、有毒ガスを分解し、浄化した空気を送り出すよう設計された植物タワーを開発している。
  • 同社はシンガポールの複数の場所で、短期のパイロットテストを実施した。
  • サラフ氏によると、同社はRESET認証の空気モニターを使って3つのオフィスを比較し、自社のタワーを設置したオフィスのVOC濃度が最も低く、除去速度も最も速かった。
  • トムブレ氏は、通常の勤務時間帯におけるVOCの日次平均値とピーク値が、いずれも50%低下したと明らかにした。
  • 創業者らによると、計画どおりなら2027年上半期にシンガポールで初の量産型タワーを発売し、最初の顧客企業に設置する予定だ。

まだ分からないこと

  • TÜV SÜDが検証した結果の具体的な数値と試験条件は何か。
  • 同社独自のテストで50%の低下を算出した基準と比較条件は何か。
  • Greenairyの植物タワーの価格と、最初の顧客企業はどこか。

読者が確認すべきこと

  • TÜV SÜDによる検証結果が公表されたら、試験条件、比較対象、測定したVOCの数値をあわせて確認する。
  • タワーの導入を検討する場合は、同社が示すテスト結果と、導入を検討している空間の条件がどう異なるかを確認する。
  • 初の量産製品の発売と最初の顧客企業への設置が、同社の発表どおりに進むか、今後の発表を確認する。