1. 人間の物語――大学街の居酒屋で生じた迷い

ソウルの大学街で小さな居酒屋を営む佐藤健一は、学生たちの顔をよく知っていました。ある秋の夜、常連客の李ミナが友人と来店し、身分証を見せて「大学生ですが、もうすぐ19歳になります」と言います。実際、ミナは18歳で、翌年に19歳になる予定でした。

健一は、目の前の客が大学に通い、アルバイトもしていることを知っていました。それでも酒を出せば処罰の対象になり得ると聞いています。「本人は大人同然の生活をしているのに、なぜ酒を売れないのか。店の営業の自由まで制限されるのは行き過ぎではないか」。その疑問は、店主としての切実な悩みでした。

2. 法的な問い

争点は、満18歳を過ぎ、大学生や社会人として暮らしている人であっても、法律上の「青少年」に当たる間は酒類を販売できないという規制が、飲食店経営者の職業遂行の自由を違憲に侵害するかどうかです。

3. 韓国法が定めること

韓国の青少年保護法は、酒類を青少年に有害な薬物として扱い、青少年に販売したり、貸与・配布したり、無償で提供したりすることを禁じています。自動販売機や通信手段を通じた提供も禁止の対象です。

青少年保護法上の「青少年」は、原則として「満19歳未満の者」です。ただし、満19歳に達する年の1月1日を迎えた者は除かれます。

この基準は、日常会話でいう「数え年」と同じものではありません。たとえば、ある年の7月に19歳になる人は、その年の1月1日から青少年の定義から外れます。一方、前年の12月31日までは、満18歳で大学生として生活していても、法律上は青少年に当たります。

法律上の主な規制と制裁は、次のとおりです。

  • 酒類の位置づけ:酒類は「青少年有害薬物」に含まれます。
  • 販売等の禁止:青少年を相手に、有害薬物を販売・貸与・配布したり、無償で提供したりしてはなりません。
  • 行政上の制裁:違反者には、事案に応じて1,000万ウォン以下の課徴金が科されることがあります。
  • 刑事罰:違反は、2年以下の懲役または2,000万ウォン以下の罰金の対象となり得ます。
年齢の確認を怠った結果、違反があれば、店主は「相手が大学生に見えた」「本人が成人だと言った」という事情だけで当然に責任を免れるわけではありません。

4. 韓国の裁判所はどう考えるか

韓国の憲法裁判所は、青少年に酒を販売できないため、飲食店経営者の営業活動が一定程度制限されること自体は認めています。しかし、制限があるというだけで、直ちに憲法違反になるわけではありません。

裁判所が重視するのは、規制の目的が正当か、目的達成のために規制が合理的か、店主の不利益と社会全体の利益の均衡が取れているかという点です。青少年期の飲酒は、学業や仕事への適応、心身の健全な成長に大きな影響を及ぼし得ます。そのため、酒類の販売を一定年齢まで制限することには、重要な公共的利益があると考えられてきました。

憲法裁判所は2001年の判断で、19歳未満への酒類販売を禁じる規制について、店主の職業遂行の自由を過度に侵害するとはいえないとしました。青少年の健全な成長を守る公益は、販売機会を失う店主の不利益を上回る、という判断です。現在の法律は、さらに「19歳になる年の1月1日を迎えた人」を青少年から除外しています。この点も踏まえると、規制そのものが違憲だと認められる可能性は低いと考えられます。

5. 佐藤さんの店に当てはめる

健一さんとミナさんのケースを、順に見てみましょう。

  1. ミナさんが法定の青少年に当たるかを確認する

ミナさんはその年の翌年に19歳になるため、来店した秋の時点では、まだ「19歳に達する年の1月1日」を迎えていません。したがって、満18歳であっても青少年保護法上の青少年に当たります。

  1. 酒類が禁止対象に含まれるかを確認する

酒類は青少年有害薬物です。居酒屋で飲ませるために酒を販売することは、法律の禁止する行為に該当し得ます。ミナさんが大学生であることや、アルバイトをしていることは、この年齢基準を変えません。

  1. 店主の自由との比較をする

健一さんが販売機会を失うのは、営業上の不利益です。しかし、憲法裁判所の示した考え方では、その不利益だけを理由に規制が違憲となるわけではありません。青少年の健康や成長を守る利益が大きく、販売禁止も年齢による限定的な規制です。

  1. 違反した場合のリスクを踏まえる

健一さんがミナさんに酒を出せば、課徴金や刑事罰の対象になる可能性があります。「大学生だから」「成人に近いから」という判断は、法律上の基準に代わるものではありません。

したがって、このケースでは、健一さんの職業遂行の自由が一部制限されていることは確かでも、その制限が憲法上許されないほど過度なものだとは評価されにくいでしょう。

6. 結論――健一さんは酒を出さず、確認方法を見直した

健一さんはその夜、ミナさんに酒を出しませんでした。断る理由を年齢基準とともに説明し、法律上の青少年に当たらなくなる時期を確認してから、改めて来店してほしいと伝えました。ミナさんも、大学生かどうかではなく、法律上の基準で決まるのだと理解しました。

読者が同じ立場にある場合は、次の点を実行してください。

  • 身分証で生年月日を確認する。見た目や学生証だけで判断せず、「19歳になる年の1月1日」を基準に確認しましょう。
  • 従業員に共通の確認手順を設ける。迷ったときは販売を保留し、責任者に確認する運用が安全です。
  • 違反の疑いが生じたら、記録を保存して専門家に相談する。課徴金や刑事責任の可能性があるため、早めの法的助言が重要です。