突然の「休業命令」:キム・ジフンさんの苦悩

京畿道の自動車部品工場で5年間誠実に働いてきたキム・ジフンさん(仮名)は、ある朝、掲示板に貼られた一枚の通知に目を疑いました。「世界的な景気悪化による受注減少のため、今後3ヶ月間、工場の稼働を全面的に停止する」という内容でした。工場のオーナーであるパク社長は、全社員を集めた緊急会議で「仕事がないのだから、給料は出せない。会社が潰れるよりはマシだろう」と一方的に告げました。

ジフンさんには、来年小学校に上がる娘と、介護が必要な両親がいます。3ヶ月もの間、収入が途絶えることは、彼の家族にとって死活問題でした。「会社が苦しいのはわかるが、労働者は指をくわえて待つしかないのか?」という疑問を胸に、ジフンさんは法的手段を模索し始めました。

法的な問い:経営難による休業中、賃金はどうなるのか?

このケースにおける核心的な問いは、「景気悪化や経営難による休業は、会社が給与を支払わなくてもよい正当な理由になるのか?」という点です。韓国の労働基準法は、このような状況において労働者の最低限の生活を保障するための強力な規定を設けています。

韓国の法律は何と定めているか

韓国の労働基準法第46条では、「休業手当」について明確に規定しています。

使用者の帰責事由(会社側の責任)によって休業する場合、使用者は休業期間中、当該労働者に対して平均賃金の100分の70以上の手当を支払わなければならない。

主なポイントは以下の通りです:

  1. 支払い基準: 原則として平均賃金の70%以上。ただし、その金額が「通常賃金(基本給など)」を超える場合は、通常賃金を休業手当として支払うことができます。
  2. 帰責事由の範囲: 単に会社に落ち度がある場合だけでなく、経営難、原材料の不足、受注減少といった「経営上の障害」も、原則として使用者の帰責事由に含まれます。
  3. 例外的な承認制度: やむを得ない事情で事業の継続が不可能であり、労働委員会の承認を受けた場合に限り、基準(70%)を下回る休業手当を支払うことが認められます。

韓国裁判所の視点

韓国の裁判所や労働当局は、「使用者の帰責事由」を極めて広く解釈しています。天災地変のような不可抗力でない限り、市場の変化や経営判断の失敗による休業は、すべて会社側のリスクとして捉えます。「景気が悪いから」という理由は、労働者への支払いを免除される魔法の言葉ではありません。裁判所は、労働者が労働を提供したくても提供できない状況に対する責任を、経営主体である使用者が負うべきだと判断しています。

ジフンさんのケースへの適用

ジフンさんのケースを詳しく見てみましょう。パク社長が主張する「景気悪化による受注減少」は、典型的な経営上のリスクです。したがって、これは「使用者の帰責事由」に該当します。

もしパク社長が事前に管轄の地方労働委員会から「基準未満の休業手当支給に関する承認」を得ていないのであれば、パク社長はジフンさんに対し、休業した3ヶ月間、平均賃金の70%(または通常賃金)を毎月支払う法的義務があります。これを無視して「一銭も払えない」と強弁することは、明らかな法律違反です。

結論:ジフンさんは救われるのか?

ジフンさんは労働基準監督署に相談し、パク社長に対して休業手当の支払いを求める是正勧告が出されました。刑事罰(3年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金)の可能性を知ったパク社長は、最終的に資産を工面し、ジフンさんを含む従業員に法定の休業手当を支払うことを約束しました。

同様の状況にある方へのアドバイスです:

  • 「仕事がない=給料ゼロ」は間違いです: 会社側の都合で休まされる場合、休業手当が発生することを忘れないでください。
  • 労働委員会の承認を確認する: 会社が「法律で認められた減額だ」と主張する場合、本当に労働委員会の承認公文書があるかを確認してください。
  • 証拠を確保する: 休業を命じられた通知書、メッセージ、録音など、会社側から休業を強制された証拠を保管しておきましょう。

法は、誠実に働くあなたの生活を守るために存在します。不当な無給休職には、毅然とした態度で対応しましょう。

** *本コラムは一般的な情報提供を目的としており、個別の事案に対する法的助言に代わるものではありません。具体的な問題については、法律専門家にご相談ください。