第1節 — 誠実な社員、金敏浩(キム・ミンホ)さんの悩み

ソウルにある小さなデザイン事務所で5年以上働いてきた金敏浩(キム・ミンホ)さんは、最近夜も眠れない日々を過ごしています。会社は2014年の末から経営難に陥り、月300万ウォンの給料が期日通りに支払われなくなりました。最初は数日の遅れでしたが、次第に「今月は半分だけ、残りは来月に」という説明が繰り返されるようになり、今や未払い額は相当な額に膨らんでいます。

「社長を信じてついてきましたが、もう限界です」。敏浩さんは5月末での退職を決意し、5月1日にその意思を伝えることにしました。しかし、ただ辞めるだけでは納得がいきません。長期間、給料を待たされたことで家賃の支払いに窮し、銀行のローン利息まで負担してきたからです。「せめて法律で定められた利息だけでも上乗せして受け取りたい」と、彼は強く願っています。

第2節 — 法的な争点:未払い賃金に利息はつくのか?

敏浩さんのようなケースで最大の争点となるのは、「会社から支払われていない賃金の元金だけでなく、支払いが遅れたことに対する『利息』をどこまで請求できるのか」という点です。また、その利息の利率は何パーセントで、いつから発生するのでしょうか?

第3節 — 韓国の法律は何と定めているか

韓国の労働基準法第37条および同法施行令では、未払い賃金に対する強力なペナルティとして「遅延利息」を定めています。

労働基準法 第37条(未払賃金に対する遅延利息)使用者は、退職した労働者に対して支払うべき賃金や退職金の全部または一部を、支払事由が発生した日から14日以内に支払わなかった場合、その翌日から支払う日まで、年100分の40以内の範囲で大統領令が定める利率による遅延利息を支払わなければならない。

具体的には、以下のルールが適用されます:

  • 利率: 労働基準法施行令第17条により、年20%と定められています。
  • 発生時期: 退職日(または死亡日)から14日が経過した翌日から発生します。つまり、在職中の未払いにはこの20%という高い利率はすぐには適用されず、あくまで「退職後の精算」を促すための制度です。
  • 目的: 雇い主が意図的に賃金支払いを遅らせることを防ぎ、労働者の経済的損失を補償するためです。

第4節 — 韓国裁判所の考え方

韓国の裁判所は、労働基準法上の遅延利息について非常に厳格です。たとえ会社が経営難であっても、退職した労働者に対して14日以内に賃金を精算しなかった場合、原則として年20%の利息を認める判決を下します。

ただし、注意が必要なのは「労働部(労働局)」と「裁判所」の役割の違いです。労働部に未払い賃金の申告(陳情)をした場合、監督官は「元金を払いなさい」という行政指導は積極的に行いますが、遅延利息の支払いまでを強制することは稀です。利息を強制的に回収するためには、確定した未払い額をもとに、民事訴訟や少額審判などの裁判手続きを経るのが一般的です。

第5節 — 敏浩さんのケースへの適用

敏浩さんの状況を整理してみましょう。彼は5月末で退職します。法律によれば、会社は退職日から14日以内、つまり6月14日までにすべての未払い賃金を精算しなければなりません。

  1. 6月14日までに支払われない場合: 6月15日から、未払い賃金の総額に対して年20%の利息がカウントされ始めます。
  2. 在職中の利息は?: 2014年から続いていた未払いですが、在職期間中については、特約がない限り商事法定利率(年6%)や民事法定利率(年5%)が適用される可能性があります。しかし、退職した瞬間から「年20%」という強力な武器が手に入ります。
  3. 手続き: 敏浩さんはまず労働部へ陳情を出し、「賃金未払い確認書」を発行してもらいます。会社がそれでも利息の支払いを拒むなら、その確認書を証拠として民事訴訟を提起し、20%の利息を含めた全額の差し押さえなどを検討することができます。

第6節 — 結論:敏浩さんの今後と読者へのアドバイス

敏浩さんは、退職後に労働部を通じて元金の支払いを求めると同時に、会社側に対して「20%の遅延利息が発生していること」を明確に告げるべきです。この高い利率は経営者にとって大きなプレッシャーとなり、早期解決を促すカードになります。結果として、敏浩さんは元金に加え、裁判に至る前の交渉で一定の解決金(利息相当額)を得る可能性が高まりました。

同様の状況にある方へのアドバイスです:

  • 証拠を確保する: 給与明細、通場のコピー、未払いを認める社長との録音やメッセージなど、未払い額を証明できる資料を揃えてください。
  • 14日の期限を意識する: 退職から14日は「猶予期間」です。この期間を過ぎて初めて年20%のルールが発動することを覚えておきましょう。
  • 専門家に相談する: 利息の計算や民事訴訟の手続きは複雑です。金額が大きい場合は、公認労務士や弁護士の助けを借りるのが賢明です。

法は自らの権利を主張する者を守ります。泣き寝入りせず、正当な対価を受け取りましょう。

本コラムは一般的な情報提供を目的としており、個別の事案に対する法的助言ではありません。