退職した同僚のメールへの無断アクセスのリスク
業務の便宜上、チーム内でメールのアカウント情報を共有することがあります。しかし、韓国では同僚が退職した後もそのアカウントを使い続ける行為は、深刻な刑事責任に問われる可能性があることを知っておく必要があります。
パスワードを共有していた場合の事例
社員Aが業務上、同僚Bに自分のメールのパスワードを教えていました。その後Aが退職しましたが、BがAのメールにアクセスし、業務関連の書類を印刷して代表取締役に報告した場合、どうなるでしょうか?
在職中にメールが事実上共有されていたとしても、Aが退職した後までその権限が維持されるとは見なされません。
1. 情報通信網侵入罪
韓国の「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」によれば、正当なアクセス権限なしに情報通信網に侵入することは禁じられています。
- 法的判断: 退職した人の事前の承諾なくメールを開くこと自体が「侵入」に該当します。
- 罰則: 違反した場合、5年以下の懲役または5,000万ウォン以下の罰金に処せられる可能性があります。
- 判例: 韓国の裁判所は、たとえ悪意がなかったとしても、権限がなくなった状態でアクセスすることは法違反であると判断しています(水原地方法院 2005年)。
2. 他人の秘密侵害について
法は他人の秘密を侵害したり漏洩したりすることも禁じています。ただし、ここでいう「他人の秘密」には定義があります。
- 秘密の定義: 一般的に知られていない事実であり、それを公開しないことが本人にとって利益となるものを指します。
- 会社の書類の場合: メール内の文書(例:事業計画書)が本人ではなく代表取締役や会社名義で作成されたものであれば、それはA個人の秘密ではなく会社の秘密と見なされます。そのため、これを報告した行為がAに対する「秘密侵害罪」にはならない可能性が高いです。
在韓外国人のためのアドバイス
退職する同僚から業務を引き継ぐ際は、以下の手順を守るのが安全です。
- 業務関連のファイルは個人メールではなく、会社の共有ドライブや共有フォルダに移すよう依頼してください。
- 保存されたパスワードを使って、元社員の個人メールや業務アカウントに直接ログインしないでください。
- 必要なデータはIT部門や人事チームを通じて公式に受け取ることで、将来的な法的トラブルを防ぐことができます。
本内容は情報提供を目的としており、専門的な法律相談に代わるものではありません。




















